帝塚山大学「実践学生発表祭」

2020-02-22

帝塚山大学の実践学生発表祭に参加させていただいた。今年で8回目を迎えるアクティブラーニングの実践事例発表イベント

帝塚山大学は奈良県にある。

京都までは新幹線。そこから近鉄に乗り換えて生駒駅までいく。

電車の中には広告も。実学の帝塚山大学。

10時に生駒駅についた。雰囲気が西武線の田無駅に似ている。

時間が少しあるので、1918年に開業した、日本最初のケーブルカーである生駒ケーブルを見に行く。

ちょうど「ブル」が出発するところだった。これは子供ウケする。私にもウケる。

市役所に立ち寄る。生駒市は人口11万人。大阪市と奈良市のベッドタウンとして発展。県外就業率は56%。多摩で言えば狛江市や西東京市に近い。

そして生駒ふるさとミュージアムに立ち寄る。元町役場。平成22年に登録有形文化財になっている。

多摩地域と同じような雰囲気の住宅街を通り、ゆるやかな坂道を大学へと登っていく。ロードサイドには、ナショナルチェーン店も点在する。どこか殺伐とした感じがする。ここも多摩にそっくり。

 

大学のキャンパスは、生駒市から奈良市に入ったところにある。

学部生で3,600人をかかえる奈良県最大の大学だけにキャンパスは広い。

帝塚山大学歴史館で今までの歴史を感じる。女子大からスタートしている。

11時に広報課服部係長のところに伺う。大学や高校の事務を経験されているだけあって、キャンパスの事情に詳しい。1時間近くキャンパスをご案内いただく。

帝塚山大学附属博物館

特に瓦のコレクションがすごい。文学部に学芸員コースもあるので、学生にとっては学びの場として最高だ。

豊かな学生生活を送るために必要と思われる施設が並ぶ。ラーニング・コモンズ、リサーチ・コモンズ、地域交流サロン、バーベキューコーナーなど。大人が考えた施設がすべてうまく稼働するのは難しいとは思うが、たくさんの試みがなされている。

図書館の本は学生が選んでいるとのこと。近くの本屋さんに学生と出かけて選んでいる。ユーザー目線にたった取り組みだ。

蓮花学長とお会いする。学長は社会心理学が専門。高齢ドライバーの問題などを研究しているとのこと。菅学長補佐はマーケティング、地域連携が専門。話も面白く、すっかり意気投合。

  

そうこうしている間に、ランチライム、菅学長補佐と話に盛り上がっているうちに、予定の時間を遅れてしまった。申し訳ありませんでした。

今回の発表は、トータルで12組。うち多摩大学から2組と帝塚山高校が1組。15分発表を聞いて、その後質疑。発表テーマは下記の通り。

(1)現代生活学部 食物栄養学科:奈良県特産品の付加価値推進に関する調査・支援

(2)文学部 文化創造学科:拝観券ホルダー『券葉集』開発プロジェクト進捗報告

(3)現代生活学部 こども学科:ダヴィンチマスターズ「世界に一つの絵本・Tシャツをつくろう」

(4)アドバンス・プログラム:SDGsの視点から取り組む経営の課題

(5)多摩大学:多摩地域の産業から未来を描く

(6)文学部 日本文化学科:大学所蔵の古文書の研究と展示

(7)心理学部 心理学科:今までの自分の一歩先へ~アドベンチャーカウンセリングで創る安心・チャレンジできる場~

(8)経済学部 経済学科:集団と書き方で変わる意思決定:それは本当にあなたの意見ですか?

(9)帝塚山高等学校:水道検針の自動化に向けた取り組み

(10)多摩大学:飛騨高山アクティブ・ラーニングにおける地域観光研究・商品開発・SDGs・高大接続の成果報告

(11)法学部 法学科:高齢ドライバーの運転に関する啓発活動

(12)現代生活学部 居住空間デザイン学科:高齢者向け認知症対策カードゲームの開発と実施

会場には、発表の学生、指導教員、学部長、など100名程度が参加。みなさんフラットな雰囲気。企業など外部の方をよんでもいいレベルだと感じた。

最後に、私が講評と閉会の挨拶。お話した内容は、

・点と点をつなぐ、つながりのないものをつなぐ

・社会に役立つものを

・チャレンジバイチョイス 自分自身で選択すること

・プレゼン力がかなり高い 機器のトラブルでの対応も上手

・奈良のこと生駒のことなど 地域の課題解決を行うこと

・ひきつぎについて 学生が卒業しても継続するための方法

・どうやって学部間のつなぎ合わせを行っているのかを次回伺いたい

とまとめた。

場所を変えて、懇親会。

学校で関わった商品が提供される。これは大和野菜まなケーキドーナツ。しっとりとした生地の中に伝統野菜が刻んで練り込まれた逸品。

学長と話しているうちに、学内交流の秘密がわかってきた。月1回程度若手の先生を誘ってのランチミーティングがあり、これが学内のコミュニケーションに一助しているようだ。

発表した高校生とも話しができた。将来何になるのかと聞くと、医者、DNAの研究、航空会社、昆虫の研究・・・。脱帽。

菅先生の中締めの後、バスがすぐに来てしまったので挨拶もそこそこに帰らせて頂いた。アクティブラーニングをきっかけにして学生の学びが進んでいる。今回の出会いを大切にしながら、これからの大学での活動につなげていきたいと思う。

◎その後、帝塚山大学の先生方からのメールの一部を共有。教育は愛だと感じる。

  • 学生発表祭は、多摩大学との教育連携により学ばせていただき、本学に導入したものです。同年代の若者たちがお互いを意識して切磋琢磨することは、自身の成長に繋がり、座学では得られない効果が期待できます。教育には情熱が必要と改めて感じさせられましたし、学生は目に見えるようにどんどんと成長するということを実感しました。特に先生には、講評において、とても温かいお言葉を賜り、とても感動しました。
  • 先日はこちらこそ有難うございました。先生の印象はとても強く、まさに実学を体現しておられると直感申し上げました。
  • 私も昨年に貴学のアクティブ・ラーニング発表祭に参加させていただき、学生・教職員の皆さんが非常に活気があって楽しく取り組まれている大学だなと感銘を受けました。本学も貴学を参考に活動の場をもっと広げていければと考えております。これからもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
  • 大学同士の取り組みに参加して良いのか思案しながらでしたが、温かく受け入れてくれホッとしております。
  • 最後のご講評では、当日の各発表から抽出されたキーポイントをわかりやすくおまとめくださり、ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。高校生たちが言っていて、先生たちが強調されたように、取り組みを後輩にどう引き継いでいくか、すごく大きな課題であると、私も実感しております。一つの取り組みがうまく行ったとしても、単発の打ち上げ花火に終わってしまったらダメだなと。学生たちの思いとノウハウが後輩たちに発展的に受け継がれるよう、いろいろ仕掛けを講じていきたいと考えております。
  • 過分な評価をいただき、恐縮です。学部としてプレゼン力を重視してきまして、全体的に向上してきたように感じております。しかしながら、お気づきと思いますが、質疑応答がまだまだ不十分で、お恥ずかしい限りです。多摩大学の学生さんの臨機応変な回答や、的確な質問を拝見するなかで、この点を改めて感じました。これは、練習したりして身につくものでなく、しっかりとした理解力を養わなければ無理なものです。同時に、今回のような経験も重要です。