もし三多摩が、東京都に編入されずに神奈川県だったら

2021/9/4

1893年に西多摩、南多摩、北多摩の多摩三郡を東京府へ移管することが決まった。玉川上水が皇居の御用水であったことも理由にあるようだ。もし仮に、移管が行われず、そのまま、神奈川県だった場合はどうなっていたのだろうと地図を眺めながら考えてみた。

横浜市と川崎市、相模原市が面積的にも大きくなっているが、多摩地域の30市町村は小さな市が並んでいることが見てとれる。もし、神奈川県だった場合、合併が促進されていたかもしれない。

多摩振興プラン(2017)にならって、かつての三多摩や都の地方事務所が置かれていた地域5つに分けてみた。神奈川県の市町村の大きさから考えても妥当なような気もする。少なくとも産業のレイヤーで考える場合はかなりしっくり来る。 NEW 八王子市、 NEW 青梅市、 NEW 立川市、 NEW 小平市、 NEW 府中市の5市になっていたかもしれない?

順位自治体名人口(人)面積(平方km)事業所数(事業所)政令市
1横浜市3,777,113437.56120,778指定都市
2川崎市1,538,952143.0143,149指定都市
3南多摩エリア(八王子市)1,441,766324.4642,768 
4北多摩南部エリア(府中市)1,058,53096.1033,266 
5北多摩北部エリア(小平市)747,01076.5119,416 
6相模原市725,323328.9124,010指定都市
7北多摩西部エリア(立川市)653,91590.0523,272 
8藤沢市438,32169.5613,816 
9横須賀市387,715100.8213,643中核市
10西多摩エリア(青梅市)379,176572.7014,465 
出所:くらしと統計2021及び神奈川県資料(令和3年1月1日現在)、平成26年度経済センサス基礎調査結果

神奈川県の人口ランキングに5つの地域に合併したと想定して並べてみた。NEW 八王子市の人口は、ほぼ川崎市と同じになっている。また、 NEW府中市やNEW小平市、 NEW立川市も相模原市と同レベルになっている。5つのエリアのうち4つが少なくとも政令指定都市になっていたかもしれない。

神奈川県では、産業イノベーション推進のために3つの国家プロジェクトに関わっている。

特区名内容対象自治体
スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム世界に伍する日本型のスタートアップ・エコシステムの拠点の形成と発展東京都、川崎市、横浜市、和光市、つくば市、茨城県等
京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区京浜臨海部に集積する産業基盤等の地域資源を最大限に活用しつつ、グローバル企業が先導して医薬品・医療機器産業を活性化させ、国際競争力の向上、関連産業や中小企業等への波及効果を引き出し、経済成長とライフイノベーションの実現に向けた取組みを推進神奈川県、横浜市、川崎市
さがみロボット産業特区「ロボットと共生する社会」を実現し、人生100歳時代を迎えた県民の「いのち」を輝かせること相模原市、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、寒川町、愛川町

では多摩の5つのエリアではどんなイノベーションプランが想定できるだろうか。東京都でも、多摩地域をイノベーションゾーンとして設定して新しい取り組みを支援する予定だ。さて、このエリアに特区名を入れてみよう。浮かばない・・・むむむ。このへんが問題かもしれない。学生と研究課題にしてもいいかな。

エリア特区名・内容
NEW八王子市 (南多摩エリア)
NEW府中市 (北多摩南部エリア)
NEW小平市 (北多摩北部エリア)
NEW立川市 (北多摩西部エリア)
NEW青梅市 (西多摩エリア)