企業フィランソロピー大賞贈呈式
2020-02-21
今年も企業フィランソロピー大賞が決まり、贈呈式が行われた。
会場は学士会館。こちらの沿革を確認すると「1877(明治10)年4月に創設した東京大学は、1886(明治19)年3月、「帝国大学」と改組改称いたしました。それまでの9年間、東京大学総理であった加藤弘之先生が退任されたのを機に、先生に対する謝恩会が開かれました。これが「学士会」のはじまりです。のちに、旧帝国大学(現在の国立七大学[※])出身者の親睦と知識交流を目的とした場に発展して行きました。※国立七大学とは北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学のこと。」とある。
1928年開業ということは、およそ100年前の建物。モダンで重工な建物は国の有形文化財になっている。
表彰式にふさわしい場所だ。
コロナウイルスの件もあり、様々な配慮がされている。
リハーサルも入念に行われて準備万端。
髙橋理事長の挨拶でスタートした。企業にとって本業を生かしたCSR活動。17回目を迎え拡がりを見せている。一方、課題の方は、個々の企業だけでは対応できなくなってきた。コロナウイルス、暖冬・・・SDGsが叫ばれているが、自分の課題を解決するだけでは済まない世界になってきた。エピソードとして、刑務所に入っている人達の高齢化の話。老人ホームと同様、介護も必要になっている。世の中がどんどん変化している。解は現場にある。人間は自分のことを応援してくれる人がいると頑張れる。次の世界に、かっこいい社会、かっこいい大人 そんなつながりをつくる賞にしたい。と結んだ。いつもながら一言一言に心がこもっている。
続いて、順番に表彰状贈呈。受賞者の5分間プレゼン。
- 企業フィランソロピー大賞「第一勧業信用組合」社会的課題解決による地域社会の持続的成長を目指した活動。年間650の地域のお祭りに出ている。相互扶助の精神。志の金融。地方と東京を結ぶ。小さな企業は県境を超えられない。そのお手伝いができるのが信組。100団体と連携。育てる金融。GABVの基準にあうのは、日本では当組合だけ。東京にはネパール人2万人。金融排除・・・。
- 企業フィランソロピー大賞「北良株式会社」医療と防災のヒトづくり×モノづくりプロジェクト。ガス会社、医療用の酸素を扱っている。東日本大震災がきっかけ。最概要の備蓄ボンベ。行政にはいらないといわれたがこだわってきた。中小企業の力、社長の力。重度の障害者を雇用。健聴者の支援を行うように。ドクターが応援してくれる会社になった。
- 企業フィランソロピー賞【里山イノベーション賞】「石坂産業株式会社」三富今昔村をはじめと環境保全活動。見せる経営。森の再生。五感で学ぶ里山環境教育フィールド。ゴミを出すのは誰ですか。ゴミの選別をやっている社員さんかっこいい。石坂サティアンと言われたことも。知のプラットフォームになってきている。住民にいつもきれいにしてくれてありがとうと言われることが最大の喜び。
- 企業フィランソロピー賞【つなぐ灯賞】「大阪ガス株式会社」Daigasグループ小さな灯運動の取り組み。社会貢献することは従業員がやるべきことと憲章に入れている。会社人間から社会人間にする。カレンダー販売して800万円。
- 企業フィランソロピー賞【笑顔届けま賞】「株式会社クラレ」使い終わったランドレルをアフガニスタンの子どもたちに贈る「ランドセルは海を越えて」。送る側受け入れる側。倉敷創業の会社。クラリーノ。
- 企業フィランソロピー賞【未来への道しるべ賞】「阪急阪神ホールディングス株式会社」「阪急阪神未来のゆめ・まちプロジェクト」10周年記念「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」運行。
- 企業フィランソロピー賞【地域モビリティ賞】「株式会社光タクシー」地域の高齢者を支援する乗合タクシーの運行。新日本製鐵→スペースワールド→広大な空きスペース。平地工場、高台 住宅という立地。17,000人の街。採算はとれている。商店街の店舗数が増えた。交通事業者が動くことでかわる。地域の血流を上げるだけで自己治癒能力があがる。医者と商店街が残った、絆が深まった。免許返納が相次いだ。じいいちゃんを地域にだしていくのが最大の課題。縮退社会 撤退戦になる。広がった社会。交通事業者がエリアマネジメント。毎日数百人が商店街に来る。色んな人が見に来てくれる。地域の地価が下げ止まっている。
企業が本業をとおして社会や地域と関わり課題解決を行っていく。本来であれば当然のことなのに忘れてしまった企業も多い。受賞企業のプレゼンを聞いていると、自らの志を今一度確認しなくてはと思う。
たくさんの取材を受けた。
来年は就活前の大学生にも聞かせたい。
PS プレゼン時間の管理をしていたのは多摩大学のインターン生。いい経験になったはず。お疲れ様。