ながしまゼミ企画!!多摩エリアの「地域×企業」研究テーマ会議②:繊維産業と多摩エリア実施

2020-05-16

ながしまゼミが主催する研究テーマ会議は、多摩未来協創会議の公式HPで「地域×企業」をテーマとした連載寄稿のための情報収集会議。昨今の状況から、図書館で調べたり、専門家の方にリアルでお話を伺いに行くことが困難な状況なので、詳しい方や関心のある方とオンラインで懇談・交流することにより、執筆の方向性を検討している。

今回は、その2回目。テーマは繊維産業と多摩エリア。絹の八王子、麺の武蔵村山と、多摩の産業史は織物産業から始まった。

今回の参加者は、ながしまゼミの顧問皆さん10名+学生5名+私の16名。まずは今回の主旨とスケジュールを説明した。

事前に資料を準備していただいた、海老名さんから概要の説明。

  • 八王子や青梅、武蔵村山での織物産業。江戸を通らず横浜から輸出。甲州街道から八日町で分かれて片倉-鑓水-相原-原町田-川井-白根-芝生-野毛-関内-横浜港。鑓水商人。荒井呉服店。

(絹の道を歩く私 20200426)

  • 繊維産業とは、「他の業種区分と比べて非常に広い意味で使用されています。一般的に繊維産業は日本標準産業分類でいう化学繊維製造業、繊維工業(テキスタイル製造業)、衣服・身の回り品製造業(アパレル製造業)に繊維品卸売業・小売業を加え、さらにいわゆる総合商社や百貨店の繊維部門を加えたものとして定義されています。」(日本化学繊維協会
  • また、「天然・合成の繊維から糸をつくり、織布し、各種の第二次加工を行うもので、綿糸紡績業、絹糸紡績業、製糸業、撚糸(ねんし)業、製綱業、織物業、メリヤス業、縫製業、製紐(せいちゅう)業、レース業、製網業までを包含する。天然繊維としては、綿、毛、絹、麻などがあげられ、天然の繊維素を化学的に処理してつくられるレーヨン、アセテートなどの人造繊維や、石炭、石油、水、空気などから合成するナイロン、ビニロン、テトロンなど合成繊維も加工対象とする。」(日本大百科全集)とある。
  • 繊維産業の中に、織物産業が含まれている。また、産業革命の経過とともに、手工業から機械化していく象徴的な産業であり、このことにより他の機械産業が活性化していったと考える。「明治中期から進む電力の普及、動力織機の導入によって大きく変わっていく」(関満博)
  • 多摩は養蚕も盛ん。日野市は、日野市は昔、大正時代は桑田村という地名が中心でし。桑畑だらけ。地名に「桑」が入っているところは、ほぼ日本全国養蚕の歴史がある。多摩地域の自治体では学校で蚕を飼う。『多摩のあゆみ』第106号 多摩の養蚕が詳しい。
  • 農工大・京都工芸繊維大学・信州大学の3大学には繊維学部があり、日本における当該分野の3トップ。
  • 絹のみち広域連携プロジェクト。富岡製糸場が世界遺産になるのをきっかけにできたプロジェクト。今も、ものづくりでcilkというブランドが生まれ継続している。http://cilk.shop/
  • 多摩のあゆみ第41号「大正時代の多摩機業地」(関満博)
  • 日産自動車 繊維機械事業部 今は杏林大になっている。一番最初に電気で動いている会社?
  • NBCメッシュテック。昔は日本篩絹株式会社という名称。今は日清製粉の子会社。

  • 今回は、八王子で染工場を経営する奥田さんや、京都で地元企業の活性化企画を行う北村さんも参加してくださった。八王子の織物の現状などをわかりやすく伝えてもらえる。

なぜ八王子が織物産業で栄えたのか?繊維産業、織物産業が今に残したものは何か?お金、技術、不動産(工場)。八王子には産業としては残らなかった。

地方ではノコギリ屋根の情報を保存しているよう。八王子ではやっていない。ぜひ学生に手伝ってほしいと。日野自動車の中にも残っているようだ。

今日の話から、「八王子織物組合の歴史」「繊維産業の労働環境」「歴史ある企業と繊維産業との関係」などから調べ始めることとなった。

終了後、野村さんにも参加してもらって、第1班のレポートの中身の修正。終了は23時近かった。お疲れ様。

※次回は5月下旬に、第3回「京浜工業地帯と多摩エリア」を実施予定。