地域金融論_第2講目。東京東信用金庫両国支店からのオンライン授業
2020-05-14
新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、従来型の授業をやっていていいのか?今だから学生に伝えられるものがあるのではないか?
社会変化がおきている瞬間の金融の現場を見ることで、学生のこれからの人生にきっと役立つはず。そう考えてシラバスを全面改訂した。(シラバスはこちら)
今回は第2講目。信用金庫の現場から支店長にゲストとして登壇いただきインタビューを行っていく。
どちらにお願いしようか悩んだ上で、学生にとって一番わかりやすく、信用金庫らしいところがいいと考えた。ひとつひとつコツコツと現場で仕事を重ねている信用金庫の現場を見てほしい。平常時でも困難なこの企画を、東京東信用金庫(愛称:ひがしん)で受けて頂けた。澁谷会長からは、「すべて読まさせていただきました。長島教授のオンライン授業に東京東信用金庫が参加させて頂き光栄です。金庫でもパソコンの先には200名以上の学生がいる事を忘れずに、湯浅(支店長)は勿論のこと、応援体制をしっかり整え対応します。」とまで言って頂けた。
5月に入り、Zoomでの打ち合わせを2度行った。接続テスト。入念に準備を進めた。
いよいよ当日を迎えた。
9時少し前に湯浅支店長に確認の連絡「こちらこそ宜しくお願い致します」と爽やかなお返事を頂いた。
12時にZoomの教室をOPENした。今回は大学ではなく自宅で行った。使い慣れたパソコンではあるが、もしもの時を考え、以前のパソコンもバックアップ用にセッティングした。4台のパソコンが接続され、自宅と言うよりもスタジオのようになった😁。仮想背景も準備した。自宅の椅子には黒いヘッドレストがついているので、そこに緑色のパンツをかぶせたら見事に消えた。これは不思議。本当は寺島学長のように後ろは本棚のほうが教授っぽい😁。
12時15分には湯浅支店長と中川さん(システムのご担当)が入室。新型コロナウイルスの関係で昼休みがある。店は静かだった。
写真は澁谷会長のFacebookよりシェア。パソコンはこんな風に設置してくださった。
接続の確認を行い、今日の流れを確認した。第1講目の課題で学生から10以上の質問を考えることを課題にした。2,000程の質問が集まり、その中から授業にマッチするものを50個選んだ。学生からの質問は、どうしても待遇や会社の雰囲気などになってしまう。キャリア支援の講座ではないと何度いってもそうなる。出題の方法を時間は再考しなくては。
ブレイクアウトセッションに「控室」を作り、湯浅支店長と中川さんをご案内。自分もそちらに移動した。ニッキンさんの取材もはいったので取材対応している間に5分前。ブレイクアウトセッションをでようとしたら自分が落ちてしまうトラブル。またやってしまった。ブレイクアウトセッションをでるところの表示が間違えやすい。もう少し練習が必要だ。ホストが落ちると共同ホストにホストがうつる。入り直してホストを移動してもらった。12:59。焦った。
こちらでバタバタしていることは現場には伝わっていないようだ😁。
今日は209名が参加。日本で初めての特別なことをやっていることを説明。200名以上で信金の支店に視察に行った感じ。
今日のセッションは6つ。
1.ゲスト紹介
2.地域のこと支店のこと
3.信用金庫の業務
4.金融機関の支店LIVE
5.Withコロナ
6.学生へのエール
オープニングとして、Zoomの投票を活用する予定だった。どちらが若いか、同い年か、両方との若い、両方とも年寄り。場を和ませようと思って考えたが、直前に落ちた関係で投票が起動しない。あれ~。策に溺れた。オンラインとはいえ、200名以上の人が見ている。何事もなかったかのように、支店長の自己紹介をお願いする。
さすが湯浅支店長。慣れたもの。しっかりとそしてゆっくりと学生目線で話してくれた。
Q:どうして信用金庫職員という仕事を選んだのですか? A:「世の中を見るのは金融機関がいいと思った。将来は起業したかったので信金で勉強しようと思った。やりがいのある仕事です。」
Q:中小企業診断士の資格を取得したのはなぜですか?A:「資格はもちろんとったほうがいいが、色々なものに興味を持ち見聞を広めるほうが重要」
チャットも準備してあるので、学生からの質問が続く。質問と通信の問い合わせが混在する。プレイベートで来たものには全て返事を書きながら、インタビューに取り混ぜる。学生の参加感をアップさせたい。
【学生のチャット】支店長席ってどの辺ですか?コロナでプラスなのか、マイナスなのかお伺いしたいです。営業は具体的にはどういう取引をするんですか。営業として入社したわけですか?音が聞こえません。コロナの影響を受け良かった点悪かった点はなんですか?取り立てとかもするんでしょうか?多摩大学も信用金庫や銀行と結びつきってあるんですか?何も音が聞こえなくなることが多いのですが、対策ありますか。動画流してる時は音声ほぼ聞き取れないです・・・
地域金融論なので、地域のことはしっかりおさえたい。わが町「すみだ」。歴史の街。技術の街。都市の顔と歴史の下町。大手信金、企業取引のシェアもかなり高い。中小企業の数も減っている・・・。
Q:ひがしんさんの成り立ちを教えて下さい。
Q:信用金庫って一般の人が使って良いのですか? A:「もちろんです」
Q:中小企業が信用金庫を利用するメリットはなんですか? A:「きめ細やかなサービス」
Q:信用金庫は非営利だと聞きにしました。では、社員の方はどのように誰からお 給料をもらっているのでしょうか。どうやって利益を出しているのか? A:これは来週私から詳しく説明する予定。
Q:AI時代が来るとリストラ対象と言われている金融マン、それは本当でしょうか?A:「すべての人ができるわけではないので信用金庫にとっては追い風~」
そしてセッション4の金融機関の支店からのLIVE発信。
中川さんにタブレットで支店内部を映していただきながら、支店長がインタビューに答えてくれる。
テラーがあってローカウンター、そして融資の窓口・・・。
Q:どんな融資を断っていますか?A:「ずさんな計画には貸出ができない。無担保でも貸出している」
パワポの色をすべて使ったいるようカラフルな資料。それほどのネットワークがある。
「自分たちだけでできないことを様々な連携先と課題解決を行っている」
おもちゃも製造されている。
「革製品が有名なんです」とご自身の財布と名刺入れを見せてくれる。「魅力的な企業がいっぱいある」
セッション5はコロナ対応の話。ひがしんさん自体の話とお客様への支援の話。
また中川さんがタブレットで店内を紹介してくれる。
まずはひがしんさん自体の話。Q:コロナによる影響で感染を防ぐ対策はどのように行っているのか?もし職員がコロナに感染してしまった時の対応はどのようになっているのか?コロナショックで浮き彫りになった、金融機関の強み弱みとは。コロナによって仕事がリモートワークになりましたか?来年の新卒職員はあまり採用しない予定ですか?
続いて、お客様の課題解決について。Q:金融機関側として経営が苦しい企業をどのように支援していこうと考えていますか。コロナの影響で会社で働けなくなり、住宅ローンの返済に困った人とかいるのではないか?コロナにより、お金を借りに来る経営者は増加しているのか?逆に儲かっている企業もあると思うがどんな業種ですか?無担保の枠を超えた場合はどのような対応をするのか?今回のコロナショックで日本の金融機関はどうなると思いますか?コロナが終息した後、金融機関は地域にどう貢献するか?
第10回目のゲスト小泉アドバイザーも登場。LIVEならではのハプニング。
最後に湯浅支店長から学生へのエール。「限界を決めないでチャレンジしてほしい。目標をもってがんばって。ひがしんにもぜひ(就職)😁」
終了後、澁谷会長がFacebookに投稿してくださった。「多摩大学経営情報学部、長島剛教授のオンライン授業が始まりました。今日は東京東信用金庫執行役員、湯浅博両国支店長が登壇しています。驚く事に200人を超える学生が参加しています。長島教授からインタビュー形式で湯浅支店長が応えるものであり、学生からは事前に質問を受けていた事もあり、大変分かり易い授業になりました。2020.05.14」と報告いただいた。
東京東信用金庫の皆さま、本当にありがとうございました。
【学生のレポートより】
- 信用金庫がいかに地域に密着し、地域の発展を考えているのかを感じました。信用金庫は非営利組織にもかかわらず、なぜ利益を出すのかという問いに対し、稼ぎを地域に還元するという答えに、驚きました。自己の利益だけを考えるのでなく、地域共同体というビジョンを持ち、地域に利益を還元するということは、素晴らしいことだと感じました。
- 銀行と違い非営利団体であること、信用金庫は、地域からいただいたお金を、中小企業に回すことにより地域の企業に対して還元していくことを目的といていることもわかりました。
- 地域に貢献すること。それが銀行とは大きく違うなと感じました。利益を目的としない地域貢献を企画する。そのような活動から地域からの信用を得て自分たちの利益につなげていくというのが信用金庫だと理解できました。
- 私の父も会社経営をしており、今は、銀行にも支援して貰える状況であり、一年ほどは大丈夫かなと言っていた。しかし、何年も続くと会社も厳しくなってくると言っていたので、早くいまの状況が落ち着いてほしいとおもう。中小企業を経営している父曰く、信用金庫はメガバンクに比べて、融資のハードルが低く、お金が借りやすいことや、その地域の会社を大切にしてくれるという。その地域の会社を大切にしてくれるということは、相手にしている会社を小規模に抑え、一つ一つの会社に向き合うことで、課題解決に向かっていき力をあげているのかなと考えた。
- 東京東信用金庫の課題解決力は信頼関係で成り立っていると考えます。課題というものは日々出てくるものであって、ひがしんブランドとしての信頼性や顧客、地域との繋がりによって課題を迅速かつ正確に解決していると考えます。
- 経営理念で縁というものがあってさらに得することもあると言っていましたがやはり課題を解決していくためには人との縁や繋がりがまず初めに大事になっていくんだと思いました。
- 私はお話を聞いてAIについて疑問を抱きました。AIは一つのツールでしかないとおっしゃっていましたが、やはりツールというものが今よりかももっと便利な機能が増え今より人間が行っていた作業などか格段と減ると思います。そうなると資格の話もありましたが、資格を取らなくても機械が自動的にやってくれていずれは銀行は30人もいるかいないかぐらいで回ってしまうのではないかと考えています。
- 東京東信用金庫の課題解決力の秘訣の一つとして、一つの店舗で無理にその課題に対して解決するのではなく、ほかの店舗と助け合いながら解決することにより、普通の解決するよりも自分も周りの人たちも成長しながら解決することができるので、一つの課題を的確に解決しつつさらに、会社として成長できるのである。
- 金融機関に対してのイメージが変わった。第一に私は、金融機関のイメージが堅く難しいようなイメージであった。だが、今回湯浅さんのお話を聞いてそこまで堅いものではなく、むしろいい雰囲気でお仕事をしてらっしゃり、すごくいいイメージに変わった。
- 世の中を知りたいのなら金融を知れというのが今後の我々学生には必要になってくるのではないかと私は感じました。
- AIの技術が発展すれば銀行で人の労働は無くなると近頃では言われていますが人と人が対面し、仕事をするからこその地域の発展があるのではないかと思いました。
- AIが信用金庫の業務に導入されるときは、具体的にどのような形で導入されるかが気になりました。
- 信用金庫はメガバンクに比べて、融資のハードルが低く、お金が借りやすいことや、その地域の会社を大切にしてくれるという。その地域の会社を大切にしてくれるということは、相手にしている会社を小規模に抑え、一つ一つの会社に向き合うことで、課題解決に向かっていき力をあげているのかなと考えた。 などなど
※【パソコンの覚書】
Zoom-レポート-用途-ミーティング参加者-重複しないユーザーを表示する-エクスポート
EXCEL =LEFT(A2,8) で学籍番号を切り出し - COPY-ペースト(数値)-期間の合計を降順ソート - 列の入替 - VLOOKUP