第七十七国立銀行東京支店

2022/5/14

第七十七国立銀行 東京支店 (現七十七銀行 日本橋支店)

七十七銀行はいわゆる現存するナンバー銀行のひとつ。「ななじゅうなな」ではなく「しちじゅうしち」と読む。

銀行のウィンドウにはポスターが掲示されていることが多いが、珍しく「日本橋支店の沿革」と個店の年表が掲示されていた。1882年に「第七十七国立銀行東京支店を開設」とあり、太字で強調されている。ここは、もともと東京支店だったようだ。

第七十七国立銀行の設立には、渋沢栄一と深いつながりがあるとのこと。渋沢は助言や出資だけでなく人材を第一国立銀行から出している。自身も1908年に相談役に就任したという。また、1878年に創立された東京株式取引所(現㈱東京証券取引所)は、取引高の増加に伴い場勘業務を銀行に任せることとし、1894年、唯一第七十七国立銀行を指定した。これは、渋沢の推薦のほか、不況による株の暴落時に東京株式取引所への救済融資を行い、危機を救ったことなどが理由だそうだ。以後現在も、メガバンクに交じって地方銀行唯一、資金決済銀行に指定され、この日本橋支店が業務を行っている。この年表の意義がよく分かった。(K)

出所:七十七銀行 統合報告書 2019 (77bank.co.jp)