第一国立銀行本店(現 みずほ銀行兜町支店)

2022/5/14

金融の街「兜町」。週末だからか、昼間に人の姿はほとんどなく静かなところである。

日本初の銀行を訪ねてやってきた。みずほ銀行兜町支店(日本橋兜町)。東京証券取引所や多くの証券会社、歴史的建造物がまわりに点在していて社会科見学にちょうどいい。


銀行発祥の地のプレート

「銀行発祥の地 この地は明治6年6月11日(1873年)わが国最初の銀行である第一国立銀行が創立されたところであります 昭和33年6月建立」

入口の脇のプレートにはこう記されているが、外観からは想像がしづらい。いかにも、という銀行建築の名残はなく、現在のどこでも見かけるみずほ銀行の一店舗として見過ごしてしまいそうだ。

ぐるりと西側にまわってみると、外壁に「渋沢栄一翁」「初代建物(第一国立銀行)」「二代目建物」((第一銀行本店、1902年竣工)「三代目建物」(第一銀行兜町支店、1936年竣工)のパネルが掲示されていた。現在の建物は、1976年に建てられた四代目となる。「兜町ビルの歴史ー銀行発祥の地ー」渋沢栄一翁と歴史建物 | 清和綜合建物株式会社 (seiwa-building.co.jp)

西側の道を北に向かって少し歩くと、コンクリートむき出しになった建物がある。一階の外壁は石造りで歴史を感じる。これは複合施設にリノベーションされていて2020年にホテルと飲食店が開業していた。元は第一国立銀行の別館として建築されたそうだ。

リノベーションされた元第一国立銀行別館

第一国立銀行から現在のみずほ銀行になるまでを簡単にたどってみた。

1868年の明治維新からわずか3年後の1873年、渋沢栄一が中心となって日本最初の近代的な銀行「第一国立銀行」を開業。また、1880年には安田善次郎が富士銀行の前身となる「安田銀行」を設立した。

1882年には日本銀行が設立され、日本銀行券の発行が開始。殖産興業、近代的な通貨制度と銀行制度の確立のため、数多くの企業と民間の銀行が誕生することとなる。(1876年三井銀行設立。1912年住友銀行設立。1919年三菱銀行設立。)

1896年、第一国立銀行は普通銀行に転換し「第一銀行」となった。

1897年、「日本勧業銀行」が日本の農業・工業の改良発展のために、1902年には産業育成のため「日本興業銀行」が設立された。

高度経済成長期の1971年には、「第一銀行」と「日本勧業銀行」が合併し、「第一勧業銀行」に。

バブル崩壊後、金融再編の動きの中、2002年に「第一勧業銀行」「富士銀行」「日本興業銀行」の3行が統合・再編し「みずほ銀行」と「みずほコーポレート銀行」に、2013年2行が合併し「みずほ銀行」となった。(K)

参考:みずほFG:<みずほ>の歩み (mizuho-fg.co.jp)