藤沢SST

2020-12-22

FujisawaSSTを視察した。寺島学長の話にも度々事例としてでてくる。午後から湘南産業振興財団に伺う予定があったので、であればぜひと思い申込みをした。見学は有料(3万円)。ゼミ生にメッセージを流したら4名の2年生が参加した。

藤沢駅からバスで10分ほど。集合場所に到着したときには学生は集合していた。自転車で来た学生がいるほど、参加学生は近くに住んでいた。

有料の見学ツアーだけに、プレゼン資料にはヒーリングミュージックも流れていて心地よい。普段は30%が海外からの視察。

オリジナルの珈琲を頂き、ながらプレゼンを聞く。

もともとは松下電器(現パナソニック)の主力工場。冷蔵庫などを作っていたようだ。ものづくりを通しての地域貢献から、まちづくりを通しての地域貢献へ。エネルギー、バイタリティー、生きるエネルギーが生まれるまち。100年持続するまち。パナソニックを中心として、18企業(幹事会員)が関与している。大手企業がからむと大きな動きになる。

三井住友信託銀行が入っているので、どんな役割なのかと聞くと環境配慮型のローンなどを提供しているようだ。金融機関にはジェロントロジーやまちづくりのコーディネーターとして活躍していける可能性があるはずだ。

サスティナブルなまちづくりを行うために、「次世代型自治組織FujisawaSSTコミッティ」を設けて、従来の自治会の役割+環境、エネルギー、安心・安全の様々な活動や所有資産の維持管理まで行っている。気になる参加費は、13,000円。自治会費+ALSOKの費用、コミュニティの積立費なども含まれているので安いように感じる。それとFujisawaSST協議会(企業)があり、中間にFujisawaSSTマネジメント株式会社がある。この中間組織は、15名ほどで運営されている。社長はパナソニックの部長級。企業と住民の仲立ちを行いながら、新規プロジェクトなどを遂行している。さまざまな実証実験を行うことで、企業からの資金も獲得している。住民の実証実験への参加はボランティア。意識の高い住民が多い。個人情報にも触れる機会も多いので、この会社には住民は入れないようだ。

分譲価格は5000万円~6000万円程。中古物件の価格が5499万円だから、あまり値下がりしていないようだ。40坪、4LDK。40代が75%、50代が20%、シニアが5%。子供の数も多い。13期まで販売が行われ、最後の1棟が今年売却された。5500万円×550棟=約300億。

敷地の中には、商業施設や介護施設、また物流センターもあり、住民の雇用を500名ほど吸収している。蔦屋書店もとてもオシャレで学生たちはデートにも使っている。中心にスーパーマーケットがあるよりもまちが華やかに感じる。

当初から街のコンセプトを共有して入居しているので、住民の意識統一を行う時間が最小限で済んでいる。通常のまちづくりだとその部分に多くの時間を割いているので、なんとも羨ましい。

2024年の完成に向けて、現在は北側に集合住宅を建設中。近いうちのまた来てみたい。