SDGsが私たちに問いかけるもの

2019-07-04

多摩大学特別講座は、各回のコメントを教員が交代で書いている。11回目は光栄にも私の担当だった。こちらもぜひご覧頂き「いいね」してほしい。以下の文章は、そちらを再編集したもの。

多摩大学の特別講座第11回は、寺島学長による講師紹介からスタートした。

「今日の講師は、キャスター国谷裕子氏。NHKクローズアップ現代のMCをやっていた頃からのお付き合い。思慮深く物事を聞こうとする姿勢が素晴らしい。テーマは『SDGsが私たちに問いかけるもの』、世界ではSDGsが話題。グロ ーバルな視点を学んで頂きたい。」

国谷氏登壇。第一声は、「ご無沙汰しております」。この一言で会場から大きな笑い声。どうやったらこの呼吸感は身につくのだろう。NHKクローズアップ現代からは離れたが、今もキャスターとして世界中の情報を追いかけている。「SDGsを知っていますか?」との問いかけに、年配の方からは大勢手が上がるが、学生からはちらほら。2030年への世界目標だから若い方にも重要と。写真の通り、スクリーンには何も映っていないのに、映像が見えてくるのような講演だった。


6月、サステナブルファイナンスに関する東京ダイアログが行われた。そこでゴア副大統領からのメッセージがあった。

「いま世界各地で起こっている高度な技術に基づくサステナビリティ革命は、規模においては産業革命に、スピードではデジタル革命に匹敵するでしょう」と。

ダボス会議。もっとも印象的だったのは、スウェーデンから参加した16歳の環境活動家のグレタ・トゥンベルクさんの言葉だった。

「大人たちは成功体験を話すので好きです。でもそれらは環境破壊の上に成り立っている。私たちが感じて恐怖を感じてほしい。」若い世代の危機感。ヨーロッパで広がりを見せている。

2015年SDGsが採択された。パリ協定がフランスで合意された。この2つの合意はとても重要。社会のあり方、企業のあり方が変革する。人類は、振り返ったときに2015年が重要な日だったということになる。

金融の世界。2006年にPRI(国連責任投資原則)が、2012年にはPSI(持続可能な保険)。そして今年9月PRB(国連責任銀行原則)が採択予定。信頼ある物差しをつくろうとしている。英国中央銀行総裁マーク・カーニー氏。「2050年までに二酸化炭素0にするためには大胆に資金の流れを変えなければならない。銀行や企業もこれまでと同じ経済モデルが続かない。そのうちビジネスコストが増加することになる。」

さて、日本でアンケートをとると知っていると答える人は19%。大手企業の経営者でさえも50%程度。認知が進まない。SDGsまとめられるに当たって、たくさんの人が侃々諤々議論していたが、NHKクローズアップ現代のレーダーには入ってこなかった。NHKクローズアップ現代を23年やったが、バブル崩壊、資産のリストラ・・・・どうやったら日本が元気になるのか・・・これが解決策だと思っても、後で振り返ってみると、また元に戻っている。悲しい思いもした。必要なのは総合的な視点だと感じ、SDGsに関わろうと思った。

世界中の情報を直接見て聞いての講義。まさにNHKクローズアップ現代をLIVEで見ているようだった。23年間「日本」を見続けた国谷氏からの言葉は心に響いた。悲鳴をあげる地球環境。これだけ続く異常気象はもはや他人事ではない。今までのやり方は不可能になったといわざるを得ない。まったく新しいモデルを考えねば。そこにはビジネスチャンスがあると思う。課題解決のために仕組みを作っていくこと。SDGsは課題のリストともいえる。

終了後、国谷氏から「時間が伸びて申し訳ありませんでした」と。しかし、その時間はたったの1分だった。プロというのはこういうことだ。

学びの多い特別講座だった。

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