事業デザイン論Ⅱ2021のスペシャルゲストは株式会社クロノス!

2022/1/16

事業デザイン論Ⅱを担当して今年で3回目。
この授業は、①昨年卒業した学生が就職した約200社について帝国データバンク会社年鑑等を活用し②企業研究を行う。③企業研究したものを学生間で共有し質問力をつける。その後、スペシャルゲストとしてお話を聞きたい企業を人気投票。私が企業に連絡しゲストとしての登壇を交渉。④それまでに学生はピクト図やビジネスモデルキャンバスを活用して企業分析及び事業企画書を作成し、⑤スペシャルゲストの前でプレゼンしてコメントを頂く。こんな授業だ。

3回目を迎え、マイナーチェンジを繰り返し形になってきた。ちなみに1回目が東京魚類容器株式会社、2回目が株式会社ノジマである。そして、今回は株式会社クロノス

大学からの富士山

当日は、月村俊之社長、大石宏一ゼネラルマネージャー、小松篤弥さん(卒業生)にお越しいただいた。

学生たちの事業企画発表は以下の4つ。これも学生の投票で選んだ。

  • 高校の情報の授業にプロが登場!
  • 気軽に楽しくITを学ぼう
  • AIロボットを使ったホテルマンとしての業務
  • 職人さんいらっしゃい

BtoBの企業の事業企画を考えるのは、経験のない学生たちが考えるのはなかなかハードルが高い。それでも、ピクト図やビジネスモデルキャンバスを活用して上手に企画案を作成していた。月本社長からは「とてもフレッシュな学生の皆様方からユニークな視点で前向きなビジネスモデル」と評価いただいた。そして「「面白い」や「楽しい」「みんなと共有できる」ものに躊躇なくお金を払うゼット世代の皆様の観点や感性を率直に、新鮮に感じました。」とも。

大学で学生たちとふれていると、ふと自分の経験や考え方とは全く違う感性を感じることがある。こちらも一緒に学べるのが大学の面白いところだ。

概要をお話しいただく大石ゼネラルマネージャー

最後に「学びから実践に移される学生が出てくると面白いですね」と締めくくって頂いた。まさに実学の多摩大学である。来年はさらにバージョンアップした授業を組み立てたい。

月村社長

授業を通して私が気づいた点(備忘録)。

  • なんの説明もなく200社の中から3社選ばせると、名前の知っている企業に集中する。回数を重ね企業分析などを行ってから3社選ばせると、企業のアウトプット(HPなど)と説明する学生の伝える力に影響される。
  • 帝国データバンク会社年鑑で調べさせると、就職活動の時にも活用するようになる。
  • 本物の企業の事業企画書を書くと、ピクト図やビジネスモデルキャンバスのポイントの理解が進む。
  • 学生が入社した企業とのきっかけとして実施し、その後様々な連携を行っていきたい。
教室まで集合写真

【学生からの気づき】抜粋

  • 事業を考えるにあたって、新規性、継続性があるか、現状分析、原因分析、リスク分析が重要という点、その事業がどれほどのマーケットを持っているのか、果たして全員がプログラミングを学びたいのかという話が印象的に残った。
  • 株式会社クロノス様の前で発表するのは緊張したが、自分の企画した事業内容を話すことができたので、よかったと思う。
  • 実際のOBである小松様の、入社前後の講話もこれから就活する上でとても為になった。入社後にギャップがなかったのは、とてもうらやましい、企業研究をなされて、自分の中の疑問点を限りなくなくして入社されたのではないかと感じたし、入社後も研修制度の充実している企業で、わからないことはすぐに聞ける、企業風土の会社を、自分も探していきたいと感じた。
  • 〖「何かやりたいか」じゃなく「何がその会社に必要なのか」が大事〗というお言葉に、会社は利益だけで動くものではなく、その会社の目的・目標のために動いて、社会貢献することにとても素敵だと思いました。
  • 最後の前田さんの企画は目の付け所にとても驚きかつ自分の普通の私生活から取り入れているという部分からも本当にあと少し密に考えを練り合わせれば完成するのではないかと思いました。
  • クロノスの社風もとてもいい雰囲気で働いているんだなとスライドを見て感じることが出来たのでIT系の業界も和気あいあいとした感じで普段はやっているんだなと知ることが出来ました。
  • まず目的をはっきりさせないと途中から何のためにその活動をしているのか方向性が見えなくなってきてしまい、失敗してしまったとき、何が原因でどこがよくなかったのかが分からなくなる(方向性が定まらない)のでまず目的を意識して取り組むようにしたいと思いました。
  • ピクト図の完成形を比べた時に、自分のは横だけの関係性しか書いていなかったが、発表していた人のは横だけではなく、時間の関係性まで書いていた。
  • 企業様の前でプレゼンテーションをさせていただくのが初めてでしたので、緊張もありましたが、とても素敵な機会でした。
  • 学生が考える事業企画書と企業の考える事業企画書のギャップがよくわかりました。
  • ビジネスモデルキャンバスやピクト図、事業企画書を書く際には企画段階にて慎重な協議、多角的な考え方をしたいと感じました。
  • 企業説明会やインターンシップでは体験できない特別な講義になりました。学生が考えた事業プランを実際にその企業の方が審査してくれて、学生のアイデア自体は評価されているが、自分のやりたいことが優先されるものでなく,1番の優先事項は企業の利益につながるものでなくてはいけないと感じました。
  • 感じたことは大学生が考えた事業計画じゃあまり刺さらないんだなというところだった。事業計画を作っているときはなんとなくこれやればもうかりそうじゃないかなと思いながら作っていたが、クロノスの方たちの話を聞いてるとどれも利益率やリスクそれにかかるコストといった具体的なものだったり市場規模、需要といった面でお話をされていて事業計画の難しさを学んだ。
  • 90分間という短い時間の中でしたが、とても風通しの良い会社だということがすごく伝わってきました。発表してくれた人たちへのフィードバック時には改善点を教えつつ、良かったところも具体的にお話してくださり、社員さんの意見をちゃんと聞いてくれる会社なんだなと感じました。
  • 今回一番の学びになったことは現状分析が大切であるということです。現状分析が間違っていると原因分析も間違ったことになり、その先の事業案も無駄なものになってしまうということを聞いて現状分析の大切さに気付きました。
  • 今までの講義ではネットにある情報だけを頼りに研究をしてきましたが生でお話しを聞くとそうゆう事だったのか!など様々な事が分かりました。