入社5か月目の卒業生と懇親会

2025/8/16

今年の4月から社会に出た元ゼミ生に誘われ懇親会。

会場は六本木のしゃぶしゃぶ店。

店に向かう途中、久しぶりの六本木は国際色豊か。通りを歩く人々の大半が外国人観光客や在住者であり、ここが東京の中でも特にグローバルな空間であることを実感した。

社会人生活5か月目の実感については様々。仕事内容や職場の雰囲気、1日の過ごし方など、興味深い話題が次々と飛び出し、食事を楽しみながらも会話が尽きることはなかった。

お肉はなんと食べ放題。ソフトドリンクしか飲まない元ゼミ生たちと久しぶりにじっくり話せた。

それぞれの職場で奮闘しながらも、どこかに共通していたのは、「このままでいいのか?」という小さな不安。社会に出たばかりの彼らのリアルな声を受け止めながら、私はひとつの言葉を思い浮かべた、「サードプレイス」。働く場所でも家庭でもない、もう一つの居場所の大切さを、改めて感じた時間だった。

●「やってみたい」に手を挙げたけれど

あるIT大手企業に就職した彼は、現在、研修の真っただ中。慣れない環境での多忙な日々のなかでも、「新規プロジェクトの募集」に自ら手を挙げたという。その勇気ある行動に応えたのは、彼を含めてわずか2名。「ちょっと残念だった」と苦笑しながらも、挑戦したいという意志が伝わってきた。

私は彼にこう伝えた。「もしかしたら、会社がまだプロジェクトをしっかり設計できていない段階なのかもしれない。だからこそ、何度でも応募してみたらいいよ」と。結果がどうであれ、自ら動くという姿勢は、必ずどこかでチャンスに結びついていくはず。

●目の前の仕事と、先の見えない未来

建設系の大手企業の子会社に就職した彼は、現場での仕事に日々取り組んでいる。「現場での学びは本当に多い」と手応えを語りつつも、「このままずっとこの仕事を続けていくのかな?目標が見えないんです」と本音も漏らした。

そんな彼には、「目標になる少し上の先輩を見つけてみるといいよ」とアドバイスした。未来のビジョンが見えづらいときこそ、具体的なロールモデルの存在が、次の一歩を踏み出すヒントになる。5年後や10年後ではなく、まずは1〜2年先に自分がなりたい姿を思い描ける存在が、日々の仕事に意味を与えてくれるはずだ。

●質問も“予約制”の職場で思ったこと

人材会社で働く彼は、「先輩に質問するにもアポイントを取らないといけなくて、気軽に相談できない」と戸惑いを感じていた。「大学時代、もっと勉強しておけばよかったな」と悔しさも滲ませる。

会社に入れば、知識はあって当たり前、わからないことは自分で調べて当然、という空気がある職場もある。そんな中で、声をかけるタイミングひとつにも気を遣い、孤独を感じることもあるだろう。でも彼のように、振り返り、次の学びに変えようとする姿勢は何よりも尊い。

●サードプレイスのすすめ

こうして話を聞いていると、共通しているのは「悩みながらも前に進みたい」という気持ちだった。だからこそ私は彼らに「サードプレイスがあるといいよ」と伝えた。

サードプレイスとは、職場でもなく家庭でもない、もうひとつの自分の居場所。気軽に話せる人がいて、価値観に触れられて、視野が広がる場所。こうした場があることで、自分の状況を俯瞰できたり、ふとした会話のなかで次のヒントが見つかったりする。社会の中で孤立せず、でも職場とは少し距離を置いて、自分自身と向き合える場所、それは若手社会人にとって、今後ますます大切になるはずだ。

迷いながら、それでも進んでいく彼らへ

社会人1年目。戸惑いや不安はあって当然。でも、彼らの話からは「自分を試してみたい」「一歩踏み出したい」という強い意志が確かに感じられた。その気持ちを大切に育てていけるような、つながりや居場所を、これからもつくっていけたらと思う。

研究

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