「パンニケーション」でつなぐ力 日本一効率の悪いパン屋!?

2022/3/19

シェアキッチン&シェアスペースまちはぐのオープニング企画として、パンニケーションを実施した。

パンニケーションとは、パンとコミュニケーションの造語。パン教室の発酵時間を活用して参加者のコミュニケーションを行い、つながりを深めるというコンセプト。今回は、お世話になっている、鎌田さんが新しいツナグバを作ったので、盛り上げるために企画した。

まちはぐの正面

7時過ぎから準備開始。会社の元部下が企画から運営まで行ってくれる。これで私はパン作りに没頭できる。(普通のパン屋さんなら3時頃から準備するようだ)

元部下

キッチンに入って準備を進める。粉の計量からスタート。最強力粉、強力粉、薄力粉、砂糖、塩とほぼ真っ白な材料ばかりなので、グラム数を間違えたり忘れたりすると致命傷になる。いろいろ立て込んで、頭も真っ白になる。あとでパンの師匠に聞くと、誰しもが経験することらしい。

計量を手伝ってくれる趙

そうこうしているうちに、ゲストがお越しになる。お忙しい中、お越しいただいた (株)KITORI代表山上一郎さんには、挨拶もそこそこに、パン作りをして頂く。

山上社長とのパン作り

パンをこねながら近況報告。会場には、Zoomを通じてリアルタイムで手元を公開。司会はNami。彼女は地域のネットワークをかなりもっている。

会場ではNamiが司会進行

店頭では販売が始まる。(以下、りょう)

テーブルにメニュー、価格、焼き上がり時間のお知らせのPOPを貼り付けて、販売ブースを準備。販売マニュアル、FAQ(想定問答)を確認して、いざ開店。

今回、販売した商品は、①パン100円、②ルイボスティー大1,000円、③ルイボスティー小500円、④オリジナルクッキー300円の4種類。

ながしまゼミ 趙彦明さん、加川陽空さん、NPO法人ツナグバヅクリ 岩嶋さん他、西伊豆タケノコの会 りょうが主に販売を担当した。

ながしまゼミの学生が販売を体験

事前にポスティングしていた効果があり、朝からパンの購入希望者が多く来店された。「パン屋さんができたの?」想定通りの質問が続出する。FAQ用意しておいてよかった。まちはぐは商店街の中に立地する。近隣にパン屋さんがない。パン屋に対する期待は大。

シェアキッチンができる。「毎日お店が変わるのね、今度は何屋さんか楽しみね。」「今後のスケジュールを教えてほしい。」との声も多い。地域の方からのまちはぐへ期待も大。地域交流拠点として本日オープン、地域からの評判は上々の様子だ。

最初に焼き上がったのは10時35分。すでに多くのお客さんが列をなしている。

焼き上がったパンを、透明ビニール袋に詰めて、店頭(外)で販売した。あっという間に売り切れた。その後も各回とも5分かからず完売。需要に供給が追いつかない。うれしい悲鳴とともにここは課題。パンの商品包装は主に趙さんが担当。

事前にパンを入れる透明ビニールは口を広げて準備する。ちょっとした工夫。包装作業が格段に早くなった。何事も準備が大事。

ルイボスティー、クッキーの販売にも力を入れる。まちはぐのチラシを手に道行く人に宣伝。ルイボスティーは12種類。

「珈琲がほしい」「お茶は好みのものを取り寄せて飲んでいる」との声も多かった。相手の好みに合った商品を提案する必要があるが、種類が多く、うまく説明できない。

クッキーはリピーターがいた。「久々にこんなおいしいクッキーに出会った」との声。好評。「売れないは自己合理化だ、工夫すれば売れる」と鼓舞しながら、懸命な販売は午後も続く。

●オープニングパンニケーション(以下、えいじ)

パンニケーション 第二部

13:30 MACHI‐HUG 鎌田氏 主催者挨拶

    パン担当 長島氏、あいプラネット 代表 野田祥代氏紹介

    西伊豆の山を守る会説明 和田奈美氏

    MACHI‐HUG 施設紹介 鎌田氏

13:50  あいプラネット 代表 野田祥代氏 「宇宙の話」

    起業に至る迄の話、宇宙の無限大の大きさ、宇宙は最高の俯瞰術

    天体シュミレーション「MITAKA」を使い、銀河の壮大なスケールを説明。

14:50  自己紹介タイム(参加者4名の自己紹介)

15:10  野田氏への質問タイム

15:40  パン試食タイム

    野田氏への質問タイム

16:30   終了

参加者4名は、あいプラネット 野田氏の話を聞きたいとの事で参加。国立天文台 研究員であった野田氏、経験や深い知識をもとに分かり易く宇宙の話を説明。新しく「夜、寝る前に読みたい宇宙の話」という本も出版。そんな方をいきなりパン作り。

課題:ゲストスピーカーが60分の講義、パン作りと忙しく移動。参加者は殆ど動かない。

●販売(以下、りょう)

パンは、もはやプレミアム商品の状態。焼き上がれば、飛ぶように売れる。午後は、多摩大学の矢内(やうち)さんが販売を応援してくれた。女性のパワーはすごい。違いは声のトーン。ルイボスティー大が完売になる。「「ラ」の音(普段より高音)で声を出さなきゃ駄目だ。」意識して宣伝を続ける。ロールプレイングもして、声のトーンを修正、商品も勉強、自信をつける。

途中、テレビ局の取材も

ルイボスティーに次なる作戦。「試飲を出そう。」試飲の効果は絶大、今までの何倍ものお客さんの足が止まる。試飲の量。試飲が冷えてしまう。ここには工夫が必要だった。「試飲と同じものを買うわ。」・・・どの種類だっけ??試飲で出している商品の種類を理解していなかった。ご愛嬌。

さて、パンのお金を管理してもらったのは、加川さん。パン売上金とその他の売上金は分けて管理するルール。セット購入されるお客さんも多い。一定のタイミングで精査するのだが、セットで販売した分を調整する必要がある。売上金を数えるのだが、固まる加川さん。いくらあるのか・・・?なかなかうまくいかない。「お金は、金種ごとに数えて、集計する。」終盤には、すらすら精査できるようになった。

固まる加川

17時に店じまい。

パンは124個(完売)、ルイボスティー大〇個(完売)、ルイボスティー小〇個、④オリジナルクッキー〇個(完売)を販売できて、無事に一日の販売を終えた。慣れない環境に、不躾な要求への対応。趙さん、加川さんは疲れたことだろう。準備・想定の大切さ、状況に応じて修正・工夫する大切さ、そしてパッション。

少なくとも数百人のお客さんとパンニケーション(コミュニケーション)したからこそ、たくさんの気づきが生まれたと思う。今日の経験が、今後のヒントとなってくれたら幸いだ。

鎌田さんへ売り上げを寄付