ながしまゼミ企画!!多摩エリアの「地域×企業」研究テーマ会議「軍需産業から民需産業へ」実施

2020-05-02

ながしまゼミ企画!!多摩エリアの「地域×企業」研究テーマ会議「軍需産業から民需産業へ」を実施した。

研究テーマ会議は、多摩未来協創会議からの依頼で行う、「地域×企業」をテーマとした連載寄稿(6月~スタート)のための情報収集会議。今後の連載に合わせて随時開催予定。昨今の状況から、図書館で調べたり、専門家の方にリアルでお話を伺いに行くことが困難な状況なので、詳しい方や関心のある方とオンラインで懇談・交流することにより、執筆の方向性を検討できればと思う。Facebookで募集したら5名の方に手をあげていただけた。当日は、編集の野村さん+私+学生4名=11名の参加となった。参加していただいた皆さまにはゼミの顧問に就任していただいた。

まずは学生からのあいさつ(名前と住んでいる地域、気になるテーマ)。学生からは、ミシンメーカー、例えばJUKIに興味あり。日産自動車、スバル、セントラル自動車について。中島飛行機のこと、京浜工業地帯と奥多摩について。

次に、顧問の挨拶。そして今回のプロジェクトの概要を私から説明した。

まずは堀池顧問からご自身が茨城の工場に就職した頃の話からスタート。

日立製作所多賀工場、海軍の工場だったこともある。戦争が終わったとき。国が滅びて壊滅された工場が、8月15日からどうなったのか?軍需工場は製品を国に納めていたが、15日の放送が終わった後、アスファルトを剥がして野菜を作り始める、海から海水を吸い上げて塩を生産する、工場の機械を使って民需製品を作り始める。人間はたくましい。たぶん戦争前から準備をしていた。多摩の事業所も同じだったのではないか。

続いて海老名顧問から、合成樹脂会社で企業を営業していた頃の話。勤めていた会社の親会社が株式会社ダイセル。火薬を作っていた。歴史のある会社。

多摩地域の主な軍需工場と軍需施設等分布(出典:星野朗・駿合史学105号)を使いながら具体的な企業名を入れながら話が進む。

中央線や横浜線、南武線が走っていて運搬が便利だったことと、平らだったことから軍需施設ができ、以前からあった企業が軍関係の製品を作り始めた。京浜工業地帯から工場が移って来た。企業城下町ではない。日鋼、ニューナンブM60も新中央工業(現・ミネベアミツミ))社製もこのへんで作っていたらしい。 昭和飛行機株式会社(S 12)、 立川飛行機株式会社(S5) 現立飛ホールディングス、 東京瓦斯電気(日立)立川工場(S 13)、 東京自動車工場(S 17) プリンス自動車、神鋼電機東京工場(S18) 現 シンフォニアテクノジー、六桜社日野工場 (S12) 現コニカ 小西六、富士電機豊田工場(S 16)、東洋時計機械工業 (S 11) オリエント時計 戦時中 – 商号を変更し東洋兵器工業株式会社、日本製鋼所武蔵製作所(S13) 東京都府中市日鋼町1-1、 東京芝浦電気府中工場(S15)東芝グループにおける原子力発電所向け重電事業や新幹線、日本小型飛行機株式会社(S16) 日本飛行機?、 中央工業南部銃製作所(S4) ニューナンブM60 のちミネベア、横河電気小金井工場 (S 16) 慶應義塾大学工学部 → 工学院大学、帝国ミシン株式会社(S11) 蛇の目ミシン、村越精螺小金井工場(S11)村越精工 自動車、金属部品加工、三共株式会社田無工場 (S15) 製薬、タカジア、 中島発動機試運転工場(S3)(田無鋳鍛工場)、 中島飛行機多摩製作所(S 16)、中島飛行機武蔵野製作所(S12)、横河電気製作所吉祥寺工場 (S5) 測定器、 中島飛行機荻窪工場(T 13)、正田飛行機・三鷹航空工業(S8)、中西機械製作所(S13)、日本無線電信電話株式会社(S 13)、中島飛行機三鷹工場・付属研究所(S 16)、東洋精鋼調布工場(S 12)、 日本針布株式会社(S7) 起毛の工業部品、東京重機製造工業組合工場(S14) JUKIミシン、国際電気通信株式会社狛江工場(S 15) 無線機、東京航空計器株式会社(S14)、日本特殊鋼材町田製作所(S 13) なるほどなるほど。

中平顧問からは、日野の工場誘致の話。歴史から見ると、昭和恐慌があって、生糸の産業が×で、工業誘致を行った。軍需工場の分散化を行いたかったこともある。米川顧問からは、大正11年に、陸軍航空第5大隊が各務原(岐阜県)から立川へ移駐が大きなきっかけだった。そこで中島飛行機が工場をスタートして関係企業が続々と立地した。箕輪顧問からは、多摩のあゆみのデータベースの活用についての説明があり、デジタルアーカイブをぜひ活用するといいと説明があった。

学生にとっては基礎知識が全く追いつかない展開ではあったが、自粛ムードの中でお休み中の脳に刺激が走ったことは確かだ。来週にはテーマを決めて執筆をスタートさせる。どんなものができてくるのか。

次回の大テーマは、「繊維産業と多摩地域」。5月16日20時から実施予定。ぜひ皆さんの参加をお待ちします。