地域活性化と建設業の再定義!加和太建設株式会社の今

2020-08-21

静岡県三島市にある、加和太建設株式会社に伺った。

創業が1946年、売上122億円、社員数278名の地域ゼネコン。河川の改修工事や道路を作るのはもちろん、地域の建築物もたくさん作っている。普通の建設会社と思いきや知れば知るほど興味深い会社だ。地域未来牽引企業や女性活躍、健康経営優良法人などの認定も多数受けている。

本社は三島駅北口の目の前にある。

10時に本社に伺うと、ご担当のHRPR室の村上萌さんが会社の前で出迎えてくれた。あとで知ったことだが、村上さんは学生時代多摩地域で活動していたとのこと。

まず1件目の視察先は、道の駅 伊豆ゲートウェイ函南。PFI事業として、当社の施設運営事業部が運営する道の駅。もちろん建設も当社。ここは、東名高速を降りてから伊豆半島に入るときの玄関口になる道の駅。

加藤部長から詳しい説明を受ける。こちらの役割は「人と企業と行政を巻き込み、地域のことを思い行動する人を増やす組織=地域の人とつながって一緒にまちを元気にする!」。???建設会社がまたなんでそんなことを?。学生が混乱しているのを横目に、私は、まさにながしまゼミの活動そのもの。国から地域未来牽引企業として選ばれている理由がわかる。

観光案内所を案内していただく。手作りのポップがかわいい。海老沼さんたちスタッフの手作りのようだ。

もちろん道の駅なので物産を扱うコーナーも充実している。

おすすめのスイカ。

そして丹那牛乳を使ったプリン。お土産に買ってきたがこれがうますぎ。

伊豆ぷるるんみるく。これを凍らせて食べると美味しいという裏情報あり。早速やってみた。これまた最高。

2ヶ所目は三嶋大社の向かい側にある大社の杜。センスのいい屋台村。様々な飲食店などが軒を連ねていた。年間数百万人が訪れる大社の前で三島を感じてもらうお店が並んでいたようだ。目下のところ次に向かってのリニューアル中。楽しみだ。

そして3ヶ所目は、みしま未来研究所。市の土地で、法務局→幼稚園として活用されてきたが、子供が少なくなり役割を終えた施設について、当社が耐震工事などの費用を負担し、市から借りてNPOみしまびとにサブリースしている。地域の中核企業が人や企業をつなぎ、経済や文化を育む。そんな仕組みを裏で支えている。聞いていてワクワクする。

午後は、2回めの高大生のためのオンライン会社見学会。

採用のご担当も同席して頂きスタート。

河田社長の説明。青年実業家。3代目の社長。三島のリーダー。

冒頭の自己紹介の中で「私自身が人生をかけて成し遂げたいことは、地域活性化と建設業(地方ゼネコン)の再定義です」と。今まで視察で伺った3ヶ所を作ってきた理由が伝わる言葉だ。

その後建設業についての説明。

仕事の流れから説明して頂く。約18万社ある建設業者、5つのスーパーゼネコン、当社はプラミッドの上から2つ目。地方ゼネコン。災害復興などで活躍する機会はある。

後半にお話の出た「新社屋プロジェクト」は圧巻だ。

本社屋の新築を検討しているときにコロナ。そこで新しい働き方、まちの賑わいを考えてまちなかにオフィスを分散配置していくという新社屋に変更。とても非効率なようにも感じるが、実は地域のつながりを作っていく当社にとってはとても合理的な展開だとも感じる。まさに逆転の発送。

【学生からの質問】

  • 地元の方が地域を好きになってくれることで、御社はどのようなメリットがありますか?
  • 御社の事業では「地域活性化」 という付加価値が付くと思うのですが、 その分、他の建設事業の会社よりも サービス・商品の販売価格が高いと いうことはあるでしょうか?
  • インフラ整備を企画する際、どこに重点を置いて公共の方と話を進めますか?
  • これまで、ハラスメントが行われた際にどのような対応をしましたか?何か一例があれば教えていただきたいです。
  • 道の駅のご説明の中にありました、 パースのデザインがとても魅力的でした。 その様なデザインを考案する上で、町の方々に 好かれるように工夫している点や大切にして いる事はありますか?
  • 偏見なのですが建築会社の方は気の強い方男性が多いイメージがあります。加和太建設様で働く村上様や小松様はそのように感じることはありますか?
  • 「コロナピンチをチャンスに」とおっしゃっていましたが、他業界ではコロナによって見つかった課題や需要を活かした取り組みで業績を伸ばしているところもあります。様々な取り組みをしている加和太建設さんの建設業の視点から見てこの時期に何か活かせそうなことはありますか?
  • 加和太建設さんのような会社があることを初めて知りました。
  • 静岡県で行うメリットとデメリットについて。 地元から採用している人数。
  • まちがすきだから地域を活性化するための事業に積極的に取り組む中で魅力としてより感じれたものがあると思います。住んでいても知らない魅力というものは実際体感でどの程度ありましたか?また、1番驚いた魅力や興味深く感じた魅力があれば教えていただきたいです。

【学生からの感想】

  • 踏み入った質問に答えてくださったので、すごくためになりました。また、利益目的ではなく、地域活性化の域を超えた慈善団体にも見えてきました。ここまで地域活性化にたいする思いが強い企業さんは出会ったことが無かったので、もっともっと深いお話がしたいです。
  • もともと私は興味のある分野の企業で、ほかの企業もいくつか調べたりしていましたが、今まで調べてきた企業とはかなり違う印象を持ちました。これからの選択肢をより広げることができるいい機会になりました。
  • 建設業と聞くとかたいイメージがありましたが、地域への貢献なども多く行っていたので印象が変わりました。
  • 建設して、完成して、引き渡して、終わり、ではない御社の姿勢に感銘を受けました。特に、駐車場になろうとしていた古くなった幼稚園を、町の活性化につなげるために、コーワーキングスペースやNPOカフェ、イベントスペースなどに したことは、新しい建設会社の役割を開拓した感がありました。また、本社の建て替えを部単位でいろいろな場所に展開させるという発想は、地域を本当に愛してこそ出て来るアイデアで、口先だけの「地域貢献」では絶対に出てこないものだと思います。外側の建設と内部運営を同時に行う手法、今後注目したいですし、学生にもぜひ話したいです(教員なので)。
  • とても楽しそうな企業だなと感じました。会社見学をしている写真でもゼミ生や先生が笑顔だったので機会があれば私もお伺いしたいと思いました。
  • 建設のイメージが男性の印象が強くあったのですが、女性も活躍しているお話を聞けて、建設に対してのイメージがすごく変わりました。
  • 事業目的が明確で会社として向かうべき方向性が見えている企業であると感じ取りました。また、利益が出なくても地域のためになる事業なら行ってみるというところに、地域活性化に対しての熱意をもって事業に取り組んでいることもわかり、魅力的な企業であると思いました。
  • 約一時間という短い時間でしたが、地域づくりや地域活性化への熱意がとても伝わってきました。会社説明などを聞いて、貴社は本当に建設会社なのかと思うくらい私のイメージする建設会社との違いがあり、このような会社が地方にもっと増えていけば、よりいい街が増えていくと感じました。また、コロナウイルスによって、どの業界も苦しんでいる中で、貴社の立て直しだけでなく、他の業界のことも気にかけながら取り組んでいると聞き、より貴社の良さというのも感じ取れました。短い時間でしたが、貴重な時間となりました。有難うございました。
  • スライドでわかりやすく説明していただき有意義な時間になりました。建築系の会社は、男性が多く堅苦しいという漠然としたイメージを持っていました。しかし、加和太建設さんは女性も活躍している、若い年代の人も沢山いるということを知りイメージとは違く驚きました。地方を活性化させるために中心となり働く会社はとてもかっこいいし、社員の皆さんが本気で三島を好きで元気にしたいという思いが伝わってきました。このような機会をもらえ、自分の固定概念など考え方が以前より広がりました。ありがとうございます。
  • 地域活性化には、女性の地位向上が欠かせないことなので、女性社員の意見を取り入れやすい環境があるのは素敵なことだと思いました。とても面白く聞かせて頂きました。ありがとうございました。
  • 一重に建設と言っても、今回の加和太建設さんは建設の先にある地域と、深く紐付いた取り組みをいくつもされていて感心するばかりでした。そしてそれらの企画や発想がとても面白く興味が湧きました。建設という枠組みに囚われず、地域のために何ができるかを会社が一丸となって考えているのかが伝わってきました。就職や研究に役立てるというコンセプトでしたが、大いに満足しました。明星大学の鵜沢ゼミでは働き方という少し大きなスケールの事を学んでいます。そのため一つの企業の取り組みを見ていくというのがあまりなく「会社」を漠然としたものとして見ていましたが、今回の見学会でどんな会社があり、どの様な取り組みをしているのか興味が湧きました。自分でも興味のある分野の企業を調べてみようと思います。

あっという間の70分。終了後も質問が止まらない。

今回はありがとうございました。