農協って農業以外のこともやっているんですか?
2021/10/13
今日のホームゼミゲストはJA東京中央会から能城さんと櫻井さん。
まずは、キャンパス案内。今回は加藤が担当。図書館、食堂、アリーナ、キャリア支援課などをご案内。図書館では展示中のながしまゼミのポスターを説明。
その後、101教室にて、JAについてのキーノートスピーチ。櫻井さんから、協同組合、農業の協同組合、JAの社会的役割、JA東京グループの取り組み紹介例のお話しを聞く。学生にとっては、私から信用金庫と銀行の違いについては何度も聞いているので、他の学生よりは馴染みはあると思うが、農協の組織や、理念、活動状況はとても新鮮だったようだ。
20分のスピーチのあとは、能城さんも一緒にフリーディスカッション40分。なかなか鋭い質問が出てきた。お二人のお人柄と仕事に対する熱意が伝わった。じっくり伝えると、今の学生にも共感を得やすい組織だし、業務だと思う。
以下は学生からの感想
- 東京中央会様のお話を聞き、スマート農業やビル型農業を進めたら面白いと思いました。東京都で密集率が高い事もあり、人のみならず使える物をとことん使えばよいと思いました。
- 農協は普段、自分が直接関わることはなかった。しかし、野菜の直売りを行っているところを目にする他、祖父母が旅行に参加し、その際のお土産をもらうなど、かなり耳馴染のある組織だった。そのため、昔から、農協は農業に関する何かをする組織であるという認識はあった。その認識が今回のお話で、農協が地域の農業の活性化を目的とする総合サービス業であることがわかり、農協がどのような組織であるかが分かり、良い学びとなった。
- 東京の農業課題について質問できたことも大きな気づきになったと感じている。私は、東京の農業ということで、土地がないことが問題であると考えていた。しかし、回答としては、「農地を残す、農家がいること(絶やさないこと)、都民の理解を得ること、相続を乗り越えること」という4つの課題をお話いただいた。自分では考えられていない課題が他にも3つもあり、自分はまだ視野が狭いということを感じることができた。そのため、広い視野で課題を発見できるように様々な可能性を考えられる力をつけていきたいと思った。
- 今回この話を聞いて、株式会社以外で協同組合というものがあることを知った。興した企画などがお金につながりずらそうなので、やりがいを見つけていかないと厳しい職場だと感じた。
- 農協の活動と社会的役割がとてもよくわかりました。特に印象に残っていることは、「今、一番解決すべき課題はなにか?」のアンサーであった4つの課題についてです。その中で都民の理解が得られること、相続税を乗り越えるという課題については、解決向かっているということに驚きました。伺うまでは、この2つの課題を乗り越えることが難しいなと思っていたので意外でした。制度や法を動かすレベルの努力されているのが伝わりました。
- 年間で30人も東京で新規就農したい人がいるんだなと思いました。正直なんで農地が狭い東京で農業やるの?と思っていましたが、消費者と距離が近いというお話を聞いて納得しました。距離が近く、買っていただいた方から直で感謝の言葉をもらえるのは強いなと思いました。他にも、東京だと消費地との距離が近いことや物流、交通が強いという点でも良いのではないかと感じました。
- 櫻井さんのお話で農家の方とお話をしている中で、農家の方がCO2や食品ロスの問題についてお話するということにも驚きました。農家の方は、とにかくいい野菜、果物をつくることを常に考えているという職人的なイメージを勝手に持っていたので、社会問題についての視点を持っている農家の方がいることは、いい意味でこれからの農業の発展にも大きく影響があるのかなと思いました。
- 全体的に勉強になることが多くとても有意義でした。元々農協に興味を持っていましたが、お話を聞いてより興味を持ちました。
- 私は現在就職活動の為に、インターンに参加しています。将来の方向性は大体決まってきました。しかし、本日のスピーチを聞き、まだまだ知らないことが多いと感じました。私は将来銀行関係の仕事に就きたいと考えています。JA東京グループの中には、JAバンクがあると学び、○○銀行や、○○信用金庫だけに絞るのではなく、選択肢の幅を広く持つことで見えてくるものが違うのだと思いました。櫻井さんのお話で、仕事をしていく中でやりがいを見つけることがとても大切だし、どのような形で社会、地域に貢献していくのか考え直すきっかけとなりました。
- 私がJA東京グループの活動で一番興味を持った内容は「農福連携」です。現在は農業や漁業などの担い手不足が問題視される中、障害者をビジネスパートナーとして地域に参加できるのはお互いに利益があると感じました。しかし一方で、危険性などが多く指摘されているなかで、農家側のメリットとして、QOL向上や地域活性化、障害者のメリットは社会コミュニティへの参加機会、一般就労の移行に繋がるなど、社会還元できるものも多いと感じました。また、障害者だからできないという固定概念も払拭され、障害者の選択肢も同時に広げることができると思います。このような福祉視野、農業分野からのアプローチができ、且つ社会問題を解決できる仕事は、やりがいがあるだけではなく、必要とされる活動だと思います。
- JA、と聞くと真っ先に農協といったことで農業の支援を行っている団体というイメージがあった。今回、JA東京中央会のスピーチを聞いて、それまで抱いていたイメージとは違うものだったということを感じた。東京という場所で農業を続けていくには、農地や畑を守っていくことはマストである。そのために都民の理解を得ていく、相続税を残すことで農家の相続に関する課題解決につなげる、こういったことを行っていることが分かった。また、CO2の削減など課題の解決といったことにも乗り出すことで公益的な機能を高め、農業の需要を保つといったことも行っていた。
- 最終的に目指していることは?という鋭い質問に対し、能城さんが農地を残すことはもちろんだが、不動産経営なども行うことで土地を守っていくと仰っていた。今回、お話を聞く中で非常に印象に残った。JAが行っていることとは、農家の支援だけではないのだと、その時に一番実感した。
- 「組合員の組合員による組合員のための協同組合」。組合員全員で運営していくという、株式会社とは、また違った温かい雰囲気が協同組合にはあった。
- わたしはあまり食や農業について興味がなかったため、JAの存在を知っているだけで具体的にどのようなことをやっているかまでは知りませんでした。しかし本日の話を聞く中で一つの事業(農業系)に特化しているわけではなく購買事業や信用事業、共済事業などさまざまな形で地域をより豊かにしているということを知ることができました。また東京の農業に特化して考えると、農地があること、農家がいること、都民の理解が得られること(騒音や環境問題など)、相続を乗り越えることが問題になっているという現状があり、中でも農地や農家の不足が最重要課題とのことを知り、地産地消ができる環境が都市部には当たり前にあるわけではないということを学びました。あまり食材を購入する時に「地元でできたものを選ぶ」ということに重点を置いていなかったため、このような課題があるということに今まで気を向けていませんでしたが、今回のお話を受けて、自分の地元でも積極的に地元食材を選んでみたり、自分地元の農業の在り方についても再度見つめ直すことが必要だと感じました。
- 今回のホームゼミはゲスト講師として、JAの能城さんと櫻井さんに来ていただいた。スピーチの中で印象に残ったことは、日本に約400万社の会社が存在する中で、多くは株式会社が占めているが、JAは協同組合に属し、この2種の間には大きな違いがあるということである。非営利目的であり、組織をつくりあげている組合員と呼ばれる人々は実際に農業に携わっている人々で、平等の権利が存在する。また、都道府県・地域単位で展開をしており、地区ごとに経営体はそれぞれというJAの括りの中にいくつもの組織が存在しているということだ。そして、櫻井さんの話によると職員は決められた仕事をするというより、アクティブなフィールドワークが多いようで、リアルに農家の方々と関わっているからなのか、仕事への熱意と共にとても明るい印象を受けた。今回の話を聞いて、就職といえば株式会社という思考に、協同組合というものが新たに加わり、選択肢の幅が広がったと感じている。各地に存在し、身近な存在であるJAの取り組みについて知ることが出来、とても充実した時間であった。